社会医療法人社団至誠会 木村病院

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臨床検査科

臨床検査科の紹介

臨床検査科は、検体検査(尿一般検査、生化学検査、血液検査、免疫血清検査(輸血を含む)、 細胞診検査)と生体検査(心電図、ホルタ-心電図、肺機能検査、脳波、血圧脈波検査、心臓エコ-検査、聴力検査)で業務を実施しています。

当検査科は、迅速と正確な検査の両立を目指して日々の業務を行っています。

外来では、概ね採血後30分以内に結果報告出来る体制を整え、診察前の検査結果報告を目標にしています。

スタッフの臨床検査技師は少数ですが、患者様の要望に応えられるよう、迅速に業務を遂行しています。

「患者様を待たせない!」が基本理念です。

特色のあるサービスの紹介

  1. 診察前検査の実施
    採血後、30分以内に検査結果を出せるような体制で業務を行っています。
  2. 輸血管理業務の実施
    輸血用血液の払い出しや各依頼科への血液搬送、在庫管理の業務を輸血検査部門が実施しています。
  3. チーム医療スタッフとしての協力
    医療安全管理、院内感染対策、栄養サポ-ト、糖尿病対策、救急医療対策などの他職種との連携で活動しています。「すべては、患者様のために」の精神で心を一つにして皆様をお待ちしています。
  4. 受託検査の実施
    地域医療連携病院として、心臓エコ-検査等の検査受託を行っています。
  5. 緊急検査への対応
    24時間体制で、緊急検査を実施しています。
  6. 各種検診の対応
    企業検診、福岡市特定検診、その他の健康診断の対応を行っています。

各部門の紹介

検体検査室

「生化学検査」では、肝臓・腎臓等の機能検査、腫瘍マーカー等を自動分析機を中心に検査を行っております。特に、外来患者の集中する午前中は業務が集中しますが、正確かつ迅速な対応を心掛ける様にしています。

「一般検査」では、尿や便を材料とする検査を行っています。尿検査は、蛋白、糖、潜血等の検査を行い、その後沈渣を作製して、鏡検しています。便の検査は、ヒトヘモグロビン、寄生虫卵の鏡検を行っています。

「血液検査」では、CBC(各種血球のカウント)、凝固系検査、血液像や白血球分類などの血液学的検査を行っています。当院は救急病院であるため、迅速な結果報告を心掛ける様日々努力しています。

「輸血・血清検査」では、主に感染症などの血清検査と適合輸血を行う為の検査を担当しています。感染症検査では、緊急時に迅速に対応できる様に努めています。輸血検査では、製剤の入庫から払い出しまで、検査科での一元管理を行っています。オーダー受理後、即時対応(緊急対応はもちろんです)できる様になっています。

病理・細胞診検査室

細胞検査士で、細胞診検査を行っています。細胞診検体採取時には必要に応じてベットサイドへ出向いて標本作製を行っています。また、結果報告の至急対応も可能です。

生理検査室

「一般検査」では、尿や便を材料とする検査を行っています。尿検査は、蛋白、糖、潜血等の検査を行い、その後沈渣を作製して、鏡検しています。便の検査は、ヒトヘモグロビン、寄生虫卵の鏡検を行っています。

トピックス

PWV(脈波伝播速度検査)のご案内

PWV(脈波伝播速度検査)のご案内(PDF)

SAS(睡眠時無呼吸症候群)とは

SASを一言でいえば、睡眠中に無呼吸を繰り返す病態の総称です。
ここで"総称"と述べたのは、SASはさまざまな病態や病気によって引き起こされるからです。
いずれにせよ、「10秒以上続く無呼吸が、一晩の睡眠中(7時間)に30回以上、もしくは睡眠1時間に平均5回以上認められ、かつその一部は、健康な人で は最も規則正しい呼吸が観察できるnon-REM睡眠と呼ばれる睡眠中にも認める場合」は、すべてSASと定義しています。
SASに特有な症状や合併症は、無呼吸によって引き起こされる2つの重要な出来事に由来するといっても過言でないでしょう。
す なわち、無呼吸のたびに患者さん本人はほとんど気づかない目覚め(=脳波上の覚醒)が起こり、良質な睡眠を得ることができず日中の眠気を引き起こすこと、 無呼吸の間は肺での酸素の取り込みと炭酸ガスの排出が止まるため、血液の中の酸素不足や炭酸ガスの貯留が繰り返され、これがさまざまな臓器に対し悪影響を 及ぼすこと、これがSASの根幹となる病態なのです。
ですから、SASは、無呼吸の出現頻度が多くなるほど、または無呼吸の持続する時間が延びるほど、重症となるわけです。

SASの定義

一晩7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸(10秒以上の呼吸気流の停止)があり、そのいくつかはnon-REM期にも出現するもの。すなわち、無呼吸指数(AI)≧5。

AI (Apnea Index)
AI(無呼吸指数):1時間あたりの無呼吸の回数。

AHI (Apnea Hypopnea Index)
AHI(無呼吸低呼吸指数):換気の50%以上の低下に、酸素飽和度(SpO2)の4%以上の低下を伴うものを低呼吸(Hypopnea)と一般に定義し、睡眠1時間当たりの無呼吸と低呼吸の合計の回数。

重症度分類
軽 症 5(10)≦AHI<15
中等症 15≦AHI<30
重 症 30≦AHI

 分類

閉塞型睡眠時無呼吸症候群 (Obstructive Sleep Apnea Syndrome=OSAS

胸部や腹部の呼吸運動は行われているにもかかわらず、上気道の閉塞のために鼻、口での呼吸がなく無呼吸となるものです。呼吸再開時に、大きないびきを伴うのが特徴です。
1つの無呼吸が中枢型で始まり、後半に閉塞型に移行する混合型睡眠時無呼吸は、閉塞型の一部と考えられています。

中枢型睡眠時無呼吸症候群 (Central Sleep Apnea Syndrome=CSAS

肺、胸郭、呼吸筋、末梢神経に異常がなく、中枢神経系の疾患により呼吸制御系が障害された場合や、呼吸中枢の機能異常により、REM期を中心とした睡眠中に、呼吸筋への刺激が消失して無呼吸となります。
脳疾患患者や心不全患者に高率にみられる異常呼吸(チェーンストークス呼吸)は、中枢型に分類されます。

OSASの症状(例)

・いびき
・日中の傾眠
・知性の低下
・性格の変化
・起床時の頭痛
・幻覚、自閉症
・呼吸困難(とくに労作時)
・不眠症
・インポテンツ

 OSASにおける無呼吸の原因

無 呼吸・低呼吸は、上気道、すなわち咽頭もしくは咽頭周囲の閉塞により起こります。その閉塞の原因は、肥満に伴う上気道軟部組織への脂肪沈着、扁桃肥大、巨 舌症、鼻中隔彎曲症、アデノイド、小顎症などの形態的異常と、上気道筋の活動度の低下などによる機能的異常に分けられます。
無呼吸・低呼吸は、上気道、すなわち咽頭もしくは咽頭周囲の閉塞により起こります。その閉塞の原因は、肥満に伴う上気道軟部組織への脂肪沈着、扁桃肥大、巨舌症、鼻中隔彎曲 症、アデノイド、小顎症などの形態的異常と、上気道筋の活動度の低下などによる機能的異常に分けられます。

OSASに合併する病気

OSAS患者には下記のような循環器疾患や、生活習慣病が高率に合併します。

高血圧

OSAS患者の40~70%に高血圧が合併すると言われています。とくに睡眠時に血圧が低下しないnon-dipper型高血圧が多くみられます。いびきを伴う症例では、OSASの存在を疑う必要があります。

 

糖尿病

OSAS患者は肥満、非肥満にかかわらず糖尿病、耐糖能異常を合併することが多く、OSASは糖代謝異常の発生にかかわる可能性があります。

 

肺高血圧症

OSASの重症例には肺高血圧症(中間圧30mmHg以上)あるいは右心不全を合併していることが知られています。これには、無呼吸時における低酸素性肺血管攣縮と胸腔内陰圧の増大に伴う右心系への静脈血還流量増大が関与しています。

 

虚血性心疾患・脳卒中

OSAS患者には虚血性心疾患を合併する可能性があり、一部では夜間狭心症発作の誘引になることがあります。また、OSASが脳卒中(脳梗塞など)の危険因子になるといわれています。

SASの検査

検査には大別して問診とスクリーニングとPSG検査があります。
どの検査を行うかは症状や状況によっても異なりますので、まずは問診で気になる症状や普段の睡眠状況について、主治医にお伝え頂くことが大切です。

問診

起床時の頭痛の有無や昼間の眠気の程度、既往歴、鼻の状態などについて、また夜間のトイレの回数などについても医師からお尋ねします。
夜間の睡眠の状態は検査で客観的に調べることが出来ますので、昼間の状態を主治医にしっかり伝えることがポイントです。
ベッドパートナーがいる場合、可能であれば一緒に受診するのもよいでしょう。

スクリーニング

就寝時に手首に機械を装着し、指にセンサーを取り付けて一晩の酸素飽和度を記録します。痛みもなく簡便に行える検査ですので、ご自宅での検査が可能な場合もあります。この検査で睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われた場合は、より精密な検査を行います。

ポリソムノグラフィー(PSG Polysomnography

PSGは、睡眠状態をトータルに評価する検査です。簡易検査の項目に加え、脳波や筋電図・眼球の動きなどを測定することで、睡眠の深さ(睡眠段階)、睡眠の分断化や覚醒反応の有無、睡眠構築、睡眠効率などを呼吸状態の詳細とあわせて、定量的に算出します。

SASの治療

CPAP療法

マ スクを介し気道内に陽圧をかけ、気道の閉塞を防ぐことにより、無呼吸を取りのぞく療法です。重症OSASにおいてCPAP治療群と無治療群を比較した場 合、CPAP治療群のほうが明らかに予後がよいという報告など、多くの研究によって、中等~重症OSASに対して治療効果が証明されています。

CPAPの原理

CPAP 療法は、1981年、C.E.Sullivan(シドニー大学)らによってOSAS治療に導入され、劇的な改善効果が報告されました。その後、様々な臨床 試験が重ねられ、有効性と安全性が確認され、現在ではOSAS治療の第一選択として、中等~重症OSAS症例の治療に用いられています。
CPAP療法は、CPAP機器本体から、エアチューブ、鼻マスクを介して、予め設定した圧力(陽圧)を気道へ送り、気道を常に陽圧に保つことにより、気道の閉塞を防ぐ、いわば空気の添え木のような役割を果たします。